寺田農さんと『天空の城 ラピュタ』
俳優の寺田農さんが亡くなられました。訃報を伝える記事には、アニメ映画『天空の城ラピュタ』の悪役、ムスカ大佐を挙げているものが目立ちましたが、元々のキャリアは舞台・映画の俳優の方です。(文学座研究生出身で、樹木希林さんと同期だったとか。)
これは私のうろ覚えの記憶で申し訳ないのですが*1、『ラピュタ』の封切り前後の雑誌『アニメージュ』の記事の中に、宮崎駿監督の意向で、「なるべくアニメから遠いところから声優を採用したい」ということになり、ムスカ役の寺田氏、女空賊のドーラ役の初井言榮氏*2は舞台系から採用したというようなことが書かれていたと思います。宮崎監督は「声優は骨格で決める」といったとあり、『アニメージュ』の記事の中で記者も、「よく見るとムスカと寺田さんは似ている」という一文があったような気がします。*3
しかし、『ラピュタ』制作当時のアニメ現場はアフレコ時に絵が間に合っていないことも多い時代で、絵もなしに役者さんが声を当てねばならず、寺田氏本人にとってはあまり良い印象はなかったようです。
post.tv-asahi.co.jp2022年11月8日の記事
それに、元来、実写・舞台を中心に活躍された方を追悼するのに、圧倒的な知名度があるとはいえ、数十年前のアニメ映画のアテレコだけというのはさみしいので、『信虎』という映画をご紹介します。
上記のテレ朝POSTの記事で紹介されているのですが、寺田さんが主演し、2021年に公開された時代劇映画です。
寺田農さんと映画『信虎』
主人公は、かの武田信玄の父、信虎。息子の信玄によって追放されたことは割と有名ですが、息子の死後も彼の方が永らえていたことは意外と知られていません*4。信玄の危篤の報を聞き、武田家の危機に自分が力になろうとするのだけれど、空回りしてしまって……というあらすじです。
上記の記事でも、脚本の方はちょっと……と、寺田さん自身もおっしゃっているのですが、美術は素晴らしいというか、古いお寺でロケをしたり、なるべく戦国当時のものに近づけたメイクなどをしています(例えば身分の高い女性は、眉をそっているなど*5)。あと、騎馬武者用の馬も、在来種の木曽馬という小柄な馬を使っているそうです。(普通の大河や映画ではサラブレッドとかが使われています)
今残ってる小道具・衣装などを精いっぱい使って、廃れてきている時代劇を、次代に残そうという意図もあって作られた映画なので、歴史もの映画の美術に興味のある方は是非。
では。
時代劇に詳しくない私よりも、この方に紹介していただきましょう。
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U-NEXT、FODでは、会員費払うとみられるようです。
U-NEXT
FODではなぜかサムネールができない……
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