80年代制作の子供向けアニメ『名探偵ホームズ』を、今TOKYO MXでやってるそうなのですが、今夜は、近代日本の文豪、夏目漱石が出てくる回「漱石・ロンドン凧合戦)をやるそうです。
(gryphon様ありがとうございます。)
本家TOKYO MXの該当ページ
正確に言うと、小説家の夏目漱石ではなく、まだまだ発展途上国であった、大日本帝国の教養を高めるための教育者・研究者となるべく、留学生として送り込まれた英文学者、夏目金之助として出てくるわけですが。
しかし、このアニメシリーズ、以前株ブログでご紹介しましたように↓、原作の小説シャーロック・ホームズシリーズを、よく言えば換骨奪胎した、悪く言えば原作崩壊させている作品です。
つまりそれに出てくるということは、実在の夏目氏とは、相当かけはなれたキャラにしないと、釣り合いがとれないということになります。
この作中の夏目氏は、一言で言って、「苦悩の人」だった留学時代の夏目氏というよりも、小説『坊っちゃん』の主人公が、ロンドンに現れたような(あれよりは落ち着いた人だった記憶はありますが)感じのキャラでした。あるいは、エキゾチズムからみた類型的日本人のひとりというか。
観てた当時の子供時代は楽しかった……で済んだのですが、著作権やら、モデルの人格権やら、子孫の方の心情やらとかの問題を知ってしまった今では、「これよく通ったな😅」という感慨がなくもありません。(ホームズは虚構でも、夏目氏はれっきとした実在の人物であり、ご子孫(調べたら、直接夏目氏を覚えてるはずのご子息方は、制作時ご存命でいらしたようです。)もいらっしゃるのです。)
ただ、「シャーロック・ホームズと漱石」という創作は他にもあるそうです。理由は、漱石の下宿先と、ホームズの住所、ベーカー街221Bが近くにあったからのようです。
Wikipedia 調べてたらこんなカテゴリーがありました。
これをみると、先行作品としては山田風太郎の「黄色い下宿人」という作品があります。
これが1953年発表。
他に、このアニメの放送年と同じ1984年に発表された、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』という島田荘司氏による小説があります。
『名探偵ホームズ』は1984年秋からの放送だったので、シリーズ後半に当たる当話「漱石・ロンドン凧合戦」は、制作された時期によってはこちらも影響してるかもしれません。(多分、「黄色い下宿人」の方が可能性としては高いか、あるいは、脚本家が単に漱石とホームズの下宿の近さだけを知って思い付いた可能性もあります。)
クダクダと書きましたが、見直さなければ話になりません。予約せねば……(うちのケーブル、MX入ってたっけ?)
では。
放送終わってしまったので、アマゾンプライムからはこちら。↓
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